日本中の動物園から河馬さんたちが消え、警察は会議ひとつ開かず、外谷さん愛好家を自証する狛江市の某作家のもとへと急行、逮捕した。作家の自供によれば、外谷さんの死期が近づいているため、別れるのにしのびず、河馬さんたちを安楽死させた後、火葬場で灰にし、特殊な薬品を加えて、インスタント外谷の素を作るつもりだったという。気持ちは純粋だが、それは世界でいちばんやってはいけないことだったものか、以後、彼の行方は杳として知れない。
なお作家は発明家としても有名で、仕事場には棒高跳用のロボットが飾られており、名はトヤゲイ・ブブタだそうである。